お菓子の食感、舌触りに影響する小麦粉は、薄力粉、準強力粉を使い分けます。
保存方法
小麦粉や粉類は湿気を吸いやすいため、湿気を防ぐためには密閉容器での保存が基本です。
特に梅雨など雨の多い時期は湿度が高く、ダマやカビの原因になることもあるため注意が必要です。開封後はジッパー付きの袋や密閉容器に移し、冷暗所で保管しましょう。
小麦粉の成分
小麦粉には、デンプン、たんぱく質、灰分(ミネラル)、水分などの成分が含まれています。
小麦粉の性質
グルテン
小麦粉に含まれる主なタンパク質は6~15%含まれています。そのうちのほとんどはグルテニンとグリアジンの2種類です。これらが水と混ざってこねられることで「グルテン」が形成され、生地の弾力や粘りのもとになります。パンや麺の食感に欠かせない重要な成分です。
たんぱく質
小麦の分類は「たんぱく質量」で4種に分けられる
日本では、たんぱく質量で大きく強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉の4種に分かれます。
また、同じ小麦品種であっても、産地によってたんぱく質の量や質に差が出ることがあります。これは、気候・土壌の性質・肥料の与え方などの環境条件が大きく影響するためです。
たとえば、パン作りに適した海外の小麦品種を、日本の気候が似た地域で栽培しても、まったく同じ品質の小麦にはなりません。それほど、小麦は育つ環境に左右されやすい作物です。
小麦粉の種類によるたんぱく質量の比較と用途
小麦粉 | たんぱく質含量 | 用途 |
---|---|---|
薄力粉 | 約6.5~8.5% | 菓子、料理 |
中力粉 | 約8.0~10.5% | 麺、菓子 |
準薄力粉 | 約10.5~12.0% | パン、麺 |
強力粉 | 約11.5~14.5% | パン |
たんぱく質の量でどう違うのか?
クッキーの場合
クッキー作りでは、小麦粉に含まれるたんぱく質量が少ないほど生地のキメが細かくなり、サクッと軽い食感に仕上がります。薄力粉などグルテンが少ない小麦粉を使うことで、口当たりの良いクッキーが焼き上がります。サクサク感を重視するなら、たんぱく質の低い粉を選ぶのがポイントです。
タンパク質量 | 食感 | 味 |
---|---|---|
多め 9.3±0.5% | カリッとしてしっかりしている | 粉の風味を感じる |
少なめ 7.6±0.5% | サクサク感あり | 後味に甘みを感じる |
硬質小麦と軟質小麦
小麦粉には「硬質小麦(ハード系)」と「軟質小麦(ソフト系)」の2種類があり、生地の状態はグルテンの質と含有量で大きく変わります。
硬質小麦(ハード系)
硬質小麦はたんぱく質(グルテン)含量が高く、弾力のあるしっかりした生地に仕上がるため、パンやパスタに適しています。
軟質小麦(ソフト系)
軟質小麦はグルテンが少なめで、サクッと軽い食感になるため、クッキーやケーキなどの焼き菓子に向いています。
メーカーや商品ごとの違い
小麦粉は、メーカーや商品によってタンパク質や灰分の含有量が違います。
灰分とは?
灰分(かいぶん)とは、小麦の外皮や胚芽に多く含まれるミネラル成分のことです。灰分が多い小麦粉ほど風味やコクが強く、パンや麺に深みのある味わいが出ます。
一方で、タンパク質量が多くても、必ずしもグルテン量が多いとは限りません。タンパク質とグルテンは連動しない場合もあるため、用途に応じた小麦粉選びが大切です。
コメントを残す