夏に食べたいひんやりジェラートの基礎知識

暑い季節になると無性に食べたくなるのが、ひんやり美味しい「ジェラート」。アイスクリームとはひと味違うその滑らかな食感や、素材の風味を活かしたフレーバーは、多くの人を魅了しています。この記事では、ジェラートの基本や魅力、おすすめのフレーバーや選び方について、初心者にもわかりやすくご紹介します。

ジェラートづくりの工程

1.ベースミックスを作る

ジェラート作りの基本となるのが「ベースミックス」です。
これは、牛乳や生クリームといった乳製品に、グラニュー糖などの糖類を加えて作られる、液体状のミックスのことを指します。

ベースミックスには大きく分けて「ホワイトベース」と「イエローベース」の2種類があり、主な違いは“卵黄”を使用するかどうか。卵黄を加えることで、コクや色味に深みが生まれます。用途や好みに応じて、どちらを使うか選ぶことが大切です。

ベースミックスの主な材料

乳製品
  • 牛乳
  • 生クリーム
  • 脱脂粉乳
糖類
  • グラニュー糖
  • トレハロース
  • 水あめ(口当たりをよくする効果がある)
乳化安定剤

ベースミックスに使われる材料

イエローベースホワイトベース
牛乳牛乳
生クリーム生クリーム
冷凍卵黄(20%加糖)脱脂粉乳
脱脂粉乳グラニュー糖
グラニュー糖トレハロース
トレハロース乳化安定剤
乳化安定剤

ベースミックス使用のバランス

アイスは「固形分 32~42%、水分 58~68%」

固形分の分類食品名固形分量 最少固形分量 最多
糖類・グラニュー糖
・ブドウ糖
・トレハロース
・水あめ
16%22%
脂肪分・牛乳、生クリームに含まれる脂肪分
・卵黄の脂肪分
・バター
6%12%
無脂乳固形分・脱脂粉乳
・脱脂濃縮乳
・牛乳、生クリーム、練乳などに含まれる無脂乳固形分
8%12%
その他の固形分・食品に含まれる固形分
・乳化剤
・安定剤
0%5%

ジェラートは「固形分 26~34%、水分 66~74%」

ジェラートは、水分量と固形分のバランスがとても重要です。基本的には、水分が58〜68%、固形分が32〜42%の範囲で作られるのが理想とされています。

水分量が68%を超えると、氷の結晶が大きくなりやすく、なめらかさが失われてシャリシャリとした食感になってしまいます。

逆に58%以下になるとねっとりとした重いアイスになります。

そのためジェラートは、糖分・脂肪分・無脂乳固形分などの固形分量をバランスよく計算しながら配合されます。素材の割合が仕上がりの食感や風味に直結するため、なめらかで美味しいジェラートに仕上げるには、成分設計が非常に重要です。

ジェラートの材料の固形分で影響が大きいのが「糖分」

ジェラートの品質に大きく影響する構成要素の一つが「糖分」です。
糖類は甘味の付与に加え、氷点降下作用(freezing point depression)によって氷結晶の形成速度や大きさを制御する役割を担っています。

糖分濃度が高すぎると過剰な粘性が生じ、逆に低すぎると氷結晶が粗くなり、シャーベット状の食感となるリスクがあります。そのため、レシピ設計時には全配合中の糖類比率を精密に管理し、口溶けやなめらかさに直結する物性をコントロールすることが求められます。

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料理初心者A基礎から学ぶお菓子とパンの記録係
はじめまして! このブログでは、料理がまだまだ勉強中の私が、日々の挑戦や学んだことをメモ代わりに発信しています。 切り方も調味料の量も手探りですが、だからこそ「同じ初心者目線」でわかりやすく、失敗しにくいコツをまとめていきます。 お菓子やパン作りなどに、少しずつ幅を広げていけたらと思っています。 同じように料理を始めたばかりの方、一緒に成長していきましょう!